第37章 緋色の思惑
プルルルルル♬
朝のアラームが鳴る前に、スマホの着信が鳴る。
まだベットで気持ちよく寝ていた彼女は、そのコール音で目を覚ました。
手を伸ばし、スマホの画面に目を向けて、相手先を確認すると、通話ボタンを押す。
椛「もしもし?」
沖矢「椛さん、沖矢です。
おはようございます。」
椛「昴さん…
おはようございます。」
沖矢「クスッ…
すみません、起こしてしまいましたか?」
いつもと違う椛の掠れた声色に、完全な寝起きだと気付いたのか、電話口で小さく含み笑いをする音が耳に届いた。
椛(秀一め…
流石に朝早すぎでしょ…)
椛「…昴さんは早起きですね。
どうしたんですか?
こんな朝早くに。」
沖矢「朝早くにすみません。
椛さんの今日の予定は、セミナーや教室関連入ってますか?」
寝起きの頭で今日の予定を思い出しつつ、ベットから渋々起き上がり、手帳を開く。
脳内に浮かんだスケジュールと、手帳を確認し照らし合わせた。
椛「今日ですか…
今日は〜、午前中にzoomで打ち合わせ関連が3件入ってて、その後はそのまま事務作業の予定ですけど…」
沖矢「そうですか…
では申し訳ないですが、その午前中の打ち合わせが終わったら、可能なら家に来ていただけませんか?
もし良ければ、その事務作業は家で、やっていただいて構いませんから。」
椛(えっ?
なにそれ、なんで?)