第35章 闇の男爵夫妻
椛「コナン君?」コソコソ
コナン「?」
名前を呼ぶとコナンに近づき、小さな彼の前に手を差し出す。
椛「忘れ物だよ?」
椛のその言葉に、コナンはパッと目を見開く。
思い当たる節があるのか、少しバツが悪そうに渋々と手を差し出す。
彼女の手からその小さな物を受け取ると、手のひらに乗った物を確認する。
椛「こうゆう事は、私にはしないでくれる?
聞きたいことが有れば直接聞いて?
全て答えられるかは別として。」
コナンが受け取ったのは盗聴器。
先程、椛が屈んだ時に、隙を見て彼女の鞄につけた物だった。
2人の不穏なやりとりに気づかない子供達は、椛に向かって無邪気に別れの挨拶に手を振っている。
彼女も皆に手を振り返すと、帰路に着くため、子供達とは反対の方向に歩いて行った。
そんな椛とコナンの様子を一部始終見ていた灰原が、皆と博士の家に向かって歩きながら、最後尾を歩くコナンに声をかける。
灰原「随分と悔しそうな顔しちゃって。
作戦失敗のようね?」
コナン「…うるせーよ。」
コナンの様子を楽しむように、声をかける灰原。
灰原に何の事を言われているのか分かってるコナンは、先程のことを思い出したのか、余計に悔しそうな顔をしていた。
灰原「彼女、付けられた瞬間に気付いてたみたいだけど?
初回でアレじゃあね〜…
今後…
彼女にその手の類の物を付ける事は、難しいでしょうね。」
コナン「オメーに言われなくても、分〜ってるよ!」