第35章 闇の男爵夫妻
「ピンポーン」
椛(なんだか、来るの凄い久しぶりな感じかするな〜。
まぁ、実際会うのも久しぶりか。)
見慣れた中庭を通ると、玄関扉をノックする。
するとすぐ中から玄関扉が開かれた。
有希子「あらぁ〜!
想像してたより可愛らしいお姉さん♪」
そして、予想していた人物と異なる人物に出迎えられる。
いつも通り昴の見た目をした、半化け状態の秀一が出迎えて来ると思っていたが…
椛(すっごい美人…
まぁ、当たり前か。
それにハイテンションな女性だな…)
想像していた以上に、綺麗な女性の姿に一瞬目を奪われるが…
椛「初めまして、結城椛と申します。
家主に一度も挨拶せず、度々お邪魔してましてすみません。
工藤有希子さんですよね?
来る途中、昴さんからメールで話を伺いました。
急に今朝、来日されたと。」
有希子「まぁ〜!
椛ちゃんね!
そんなの気にしなくて良いのよ!
こちらの都合で不在にしてるのだから!
こちらこそ急に帰ってきちゃって…
今日、梅の講座なんですって?
もぉ〜帰ってきた途端、お家の中に梅の良い香りが充満してて、本当良い香り♪
ビックリしたわぁ!」
そのまま会話を続けながら、工藤邸にお邪魔する。
広い玄関を抜けると、リビングに2人で向かった。
リビングに入ると、ソファに座り座り込み、何やら話し込んでいたのか。
目当ての人物と、もう1人の家主の姿。