第33章 ゼロのコーディネート
「バン!バン!バン!」
射撃場に、今日も銃声が響き渡る。
離れた所に並ぶ的を、順番に移動しながら射撃していく。
銃を構えるその腕は、数ヶ月前、初めて銃を手にした頃よりも、大分逞しく見えるようになった。
黒田「よし、今日も上々だな。」
椛「お陰様で♪
今日もありがとうございました!」
黒田「全く鈍ってないな。」
椛「う~ん…
けど、前回の練習から少し時間が空いたので、若干最初は緊張しましたよ。」
今日は黒田の射撃の訓練の日だ。
ケガをしてしまったせいで間が空いてしまった。
その為、黒田と顔を合わせる事自体、あの病室以来だ。
黒田「射撃をしていて、傷には響かないか?」
椛「そうですね、特に違和感も無いですし
問題なさそうです。」
黒田「そうか…」
降谷ほどではないが、黒田からも若干過保護な片鱗を感じる椛。
『流石彼の上司だな。』と思うと思わず笑みがこぼれる。
椛「ふふふっ♪」
黒田「?
どうした?」
小さく笑を浮かべ始めた彼女の様子に疑問を持ったのか、声をかけるが…
椛「いえ、2人って少し似ていますよね。」
黒田「?」
表情を変えずに椛のことをジッと見つめている黒田に対して、誰のことか伝わっていないと思い…
椛「黒田さんと、降谷君ですよ。」
その言葉に、全く納得してないのか、少し眉間に皺を寄せる黒田。