第32章 装飾品の秘事
一通り博士からミステリートレインでの話を聞き終わると、疑問に思った事をいくつか質問する。
椛「今、新一君のご両親は、自宅に帰って来ているんですか?」
博士「仕事のこともあるじゃろうし、ずっとというわけではないが、日本にいる頻度を増やすとは言っていたよ。
椛君は沖矢君に呼ばれて、定期的に新一の家に行っているんじゃろ?
そのうち、鉢合わせるかもしれんな。」
椛「そうでしたか。」
いつもあの広い邸宅に沖矢…
といっても、椛といるときは、半化け状態の赤井が一人でいる所しか見たことない。
いくら現在の住人の仕事の依頼で伺っているとしても、本来の家主に一度も挨拶もせずに、いつも伺っていたことが少し引っかかっていた彼女。
椛(次の講座で伺った時、挨拶できるのかしら。)
頭の中で、次回工藤邸に行く日程を確認する。
椛「新一君のご両親は、新一君が幼児化した事を知ってる人間は誰か。
きっと把握しているんですよね?」
博士「あぁ、新一はあの2人に、隠し事は出来んだろうしな。
もちろん全て情報は共有しているじゃろうな。」
椛「そうですか…」
鉢合わせた時にはおそらく、その件の話になるだろう事が容易に想像できる。