第32章 装飾品の秘事
博士は新たに箱を持ってきて、椛に手渡す。
手の中に収まる小さな箱を二つ開けると、それぞれ別のデザインのピアスが出てきた。
一つはルビーをイメージしているのか、ルビーレッド。
もう一つはパールのデザインで、どんな服にも合わせやすそうなシンプルなデザインだった。
そっと箱から取り出して、鏡に当てる椛。
椛「博士…
天才すぎでしょ…
それに普通にデザイン、可愛いんですけど…」
博士「椛君はオシャレさんじゃからな!
毎日同じピアスを付けていると、逆に怪しまれるんじゃ無いかと思ってな♪」
なんとも機転の効いた博士の言葉に、胸が熱くなる。
椛「博士…
本当にありがとうございます…
大事に使いますね♪」
嬉しそうに感謝を述べる彼女の姿に、満足気な笑みを浮かべる博士。
手に持っている品物は、多少物騒な気もするが…
2人の間には如何にも和やかで、ほのぼのとした空気が漂っている。
椛「昨日、電話でもお話ししましたが、この事は…」
博士「あぁ、分かっておる。
大丈夫、誰にも言わんよ。
もちろん新一にも、哀君にも。」
彼女の言葉に、朗らかに返答を返す博士。
そんな博士に対して、ずっと疑問に思っていた事を尋ねる。