第31章 エルダーフラワーかローズか否か
手を振って、駅の方に向かって歩いていく椛を見送るコナン。
ふと、ポアロの店内に目を向けると、先ほど同様、未だカウンター席に座り、園子と楽しそうに談笑している蘭の姿が見えた。
コナン(蘭が組織の人間ね〜…
そんな事、考えた事もなかったけど…)
そのまま、視線をカウンターの中にいる安室にずらす。
コナン(椛さんの質問に答えを出すにはまだ…
安室さんについても、組織についても…
分からない事が多すぎる…
それにコナン君「達」って…
その「達」は誰を指していたんだ?
会話の流れからすると…
赤井さん…
昴さん?の事だろうか…?)
一旦考え始めると思考は止まらず…
取り敢えず蘭に声をかけてから、上に上がろうと、ポアロの扉を開ける。
ドアベルの音にすぐに気付いた蘭が振り向き、コナンの存在を確認し声をかける。
蘭「コナン君!おかえりなさい。」
コナン「ただいま蘭姉ちゃん。」
蘭「もうそんな時間か!
園子ごめん、私そろそろ…」
園子「ううん!暗くなる前にそろそろ行こっか!」
蘭と園子は会計を済ませると、コナンを連れて3人で店を出る。
蘭は自分に向かって伸ばされたコナンの手に気づくと、微笑んでコナンの手を取る。
2人は一緒に毛利探偵事務所に上がって行った。
その日の夜は結局、椛からの質問が頭の中を巡っていて、中々寝付けなかったコナンであった。