第31章 エルダーフラワーかローズか否か
安室「ひとまわり近く人生の目上の人に対して、蔑む様な発言は控えた方が良いですよ。
後から全部自分に返って来ます。」
女子高生1「そんな!!
そんな事言うなんて酷いです安室さん!!」
女子高生2「そうですよ!!
私たちは安室さんの事が好きで…」
安室「お二人は、僕が作った料理はお好きですか?」
珍しく、女子高生の言葉を遮るように質問を投げかける安室。
女子高生1「それはもちろん!」
女子高生2「好きに決まってます!」
安室「ではなおさら、試食の適任は彼女しかいないです。」
女子高生2「えっ?
彼女って…」
女子高生1「あのおばさん、安室さんの彼女なの?」
女子高生と向き合っていた安室は、回れ右をして椛と梓がいるカウンター席まで真っ直ぐ歩いてくる。
梓「えっ?
安室さん?」
そのまま椛の後ろに回ると、彼女の両肩に手を置く。
そんな安室の様子を、首を後ろに回して見上げる椛。
椛(零…?)
そこにはいつもの優しい笑顔を浮かべた、安室の姿がすぐそばにあった。
そして、まるで皆に紹介するかの様に声を発する。
安室「確かに、彼女は僕の恋人ですが、それ以前に…
僕に料理を教えてくれた『先生』の『先生』がこの方ですよ♪
生徒の生徒である僕が、先生に教えを乞うのは自然な事でしょう?」