第6章 ミッドタウン杯戸
椛「それって良い意味ですよね??
安室さんが穏やかな気持ちになれるなら良かったです♪」
そう言って安室に向かって微笑みかけた。
その言葉に一瞬安室「ハッ」とした顔をする。
一瞬だったが、彼女は見過ごさなかった。
けど、今はまだ何も気付かなかった振りをしよう…。
椛「私、何食べるか決めました!!
せっかくなのでコースにします♪
『笑上戸の安室さん』はどうしますか?」
その言葉にちょっと呆れ顔をしてるが、すぐにいつもの穏やかな顔に戻る。
安室「では、『笑上戸の僕』も同じのにします♪」
そう言って再び至極楽しそうに笑い、ウェイターさんに向かって手をあげ合図をしてくれてる。
椛(前回も思ったけど、この人は思いの外なかなかノリが良い。
優しくて話し上手で、聞き上手。
ボキャブラリーもあり、人当たり最高すぎやしせませんか?)
運転手の安室はもちろんのこと、椛もアルコールは飲まない為、2人で炭酸水の瓶ボトルを注文し、ワイングラスにお互い注ぎ乾杯をする。