第25章 コンフィデンシャルのその先に
降谷「今回、管理官の協力者が椛で、本当に良かった…」
言葉を紡ぎながらギュッと抱きしめる腕を少し強めると、彼女の首筋に顔を埋めてくる。
椛(やばい…
これは流石に甘すぎる。
昨日から甘々だけど、過去一の甘々だ…)
梢は箸を持ったまま固まってると…
降谷「いけない、いけない、食事の途中だったな。」
そう言って抱きしめる腕を解き、離れ際に頬にキスを落とすと、満足げな表情で食事に戻って行った。
これは熱がまた違う意味で上がってきそうだと思いつつ、彼女も食事に戻るのであった。
食事が終わり、食器を片付けようと重ねて立ちあがろうとすると、横から降谷の腕が伸びてきて制される。
伸びてきた腕をたどり、顔を上げると、笑顔を向けられてはいるものの、目が全く笑っていない微笑みが目に映る。
『俺に任せろ』と言う無言の圧を感じる。
椛「…え〜っと、
…ではよろしくお願いします。」
立ち上がる事を諦める。
降谷「それでよろしい。」
今度は満足げに微笑んで、自身の分の食器と一緒に重ねて、キッチンへ下げに行った。
そのまま洗い物が始まる音がする。
ソファの背もたれに手をかけると、後ろ向きに座り直す。
キッチンで洗い物をしている彼の姿が、よく見えた。
ポアロで見てる時も思ってたけど、『この人、本当キッチンがよく似合うな〜』と改めて思う。
と言うか、何をしても基本絵になる。
見られてる視線を感じたのか、顔をあげて微笑まれた。
今度は目もちゃんと笑っている。