第23章 協力者の日常
「ピピピピピピピピピピ♪」
朝を告げるアラームが鳴る。
眠い目を擦りながらアラームを止めると、時刻は朝の7時。
ベットから起きて、カーテンを開くと、眩しい朝日が部屋を照らした。
歯ブラシ片手に歯を磨きながら、寝ている間に来ているメールをチェックする。
すると受信ボックスの中に、昨晩通話中に寝落ちした彼の名前が目に映った。
昨晩、
『寝ぼけて電話をかけた事』の詫びと、
『最後どうやって電話を切ったか覚えてない事』への詫びのメール内容だった。
椛「あははははっ!!」
その内容に目を通すと、彼には申し訳ないが、思わず声を出して笑ってしまう。
彼女の笑い声が、家の中に朝早くから響き渡る。
至極申し訳ない気持ちが、メールの文面からも滲み出ている。
普段はしっかりしてて頼り甲斐もあり、そして男気があって、内面も外見も誰がどう見てもカッコ良い男性なのに、過ごす時間が増えるに従って、だんだんと彼の少年の様な一部分が、見え隠れする事が増えてきた。
おそらく本来の彼の、素の一部分なのだろう。
『カッコ良い男の部分』と、『少年の様な可愛い部分』の訳の分からない振り幅をもつ彼。
そのギャップに晒されると、脳みそが溶ける様な感覚がする。
そしてここ最近特に、その感覚にたびたび遭遇している彼女。
朝起きて、彼がどんな気持ちで詫びのメールを打ってきたのか、想像すると思わず笑みが溢れて、胸が『キュゥ』と締め付けられる。
彼からのメールの受信時間は、朝の6時半過ぎだった。