第20章 緋色のカレーライス
椛「…ねぇ、最近さ、『沖矢昴』でいる時間どんどん減ってない?」
赤井「こっちの方が喋りやすいんでな。
なんだ?
椛はやはり沖矢昴の方が良いのか?」
椛「いやいや、そんな事言ってないですけど…」
ここは工藤家のキッチン。
今日は講座の予定でお邪魔している。
本日のレッスンは『季節のらっきょう漬け』だ。
姿は沖矢昴だが、変声機のスイッチをオフにし、話し方は赤井秀一の状態で、先程から、キッチンに2人で並びながら、らっきょうの薄皮をひたすら剥いている。
剥き始めはぎこちなかった彼の手つきも、暫くすると慣れてきたのか、どんどん剥くスピードが早くなっている。
椛「秀一は本当に手先が器用だよね。
あっという間に慣れちゃって…
らっきょうの薄皮剥くの、結構コツがいると思うけど…」
秀一「俺はこう言う細かい作業は、嫌いじゃ無いんでな。
それに『椛先生』は教え方が上手い。」
椛「それはそれは…
お褒めの言葉頂き、光栄ですよ♪」
お互い手は止めないまま、顔を見合わせて笑い合う。
椛「そしたら、薄皮剥くの暫くお任せして良いかな??
試食のカレーの仕上げと、サラダの準備しても良いかな?」
赤井「あぁ、了解した。」
椛(結構大変だと思うんだけどな。
まぁ、秀一に任せておけば大丈夫かな♪)