第18章 丹碧の手鞠
「お疲れ様でした〜!」
「椛先生、今日もありがとうございましたぁ〜!」
「お疲れ様です〜!」
「お先に失礼します〜♪」
「また来週よろしくお願いします〜!」
「ありがとうございます!!」
今日の講座が無事終わり、帰りの支度が終わった生徒さんから退出して行く。
この日はお味噌作りの講座だった為、大量に茹でていた大豆の香りがまだ部屋中に残っている。
そして退出せずに部屋に残っていた最後の1人に、声をかけた。
椛「高明さん。
今日は遥々お越しいただき、本当にありがとうございました。」
高明「いえいえ、こちらこそ。
無事参加できてよかったです。」
今日は、先日お会いした諸伏警部が約束通り、一般のグループレッスンの講座を長野から受講しに来ていた。
『警部』と言うと、周りが萎縮してしまうとの事で、他の受講生のことも考慮して、警察官であることは伏せて、
『普通に名前で呼んで欲しい』
と事前に言われていた為、名前で呼ばせて頂くことにした。
椛「初めてのお味噌作りはどうでしたか?
長野はお味噌有名ですよね。
今日は白味噌なので、普段食べ慣れている味とは少し違うかもしれないですが。
気に入って頂けると嬉しいです。
完成が楽しみですね♪」
高明「えぇ、色々と非常に興味深かったです。
出来上がったら、色々な食材と合わせて頂いてみたいと思います。」