第16章 ゼロの銃弾
暗闇に消える赤い車を見送る。
ここ数日で、精神的には色々あったが、その分、本当にスッキリしている。
椛(私って結構単純でげんきんだな…。
けど、起きてしまった事は受け入れて、前に進むしかないし。)
今日は新月の為、夜空を見上げると、いつもより星が見える気がした。
椛(長野の星空には負けるけどね♪
もう二度と会う事は出来ないけど、
彼が大切にして来たものを、
精一杯これからも守っていこう。
私は生きるよ。
この国で。
精一杯、自分の為すべき事を果たすよ。
あなたの分も。
これからも、力の限り。
ありがとう。
ヒロ君。)
そうして夜空を見上げる彼女の表情は、
今までより一段と力強く、そして晴々としていた。