第15章 郷愁の味覚(テイスト)
そうして電話は切れた。
なんとなく、これがお互い最後だと分かっていたと思う。
けど、言わずにはいられなかった。
たとえ結んだ約束が、叶わない未来だったとしても。
共に胸に抱えている信念は繋がっている。
今日もこれからも。
もう二度と、会えなかったとしても。
この先何が起ころうとも、共に過ごした時間は変わらず、宝物だ。
お互い決めた信念を心に秘め。
別々の道を。
こらからも毎日を懸命に生きていく。
人は必要な時巡り合い、そして役目が終わると離れ、そして新たな出会いがやって来る。
いつかまた、『道が重なるかもしれない』と微かな思いを胸に秘めて。。。