第15章 郷愁の味覚(テイスト)
降谷「ヒロ…
俺は先に行ってるよ。
皆んなには言っておくから、落ち着いてからで良い。
こっちにも必ず来てくれ。
…アイツらとも、もう暫く会えなくなるんだぞ。」
景光「あぁ、分かってる。
必ず行くよ。」
降谷は、そう言ってその場を離れて行った。
足音が遠のき、聞こえなくなると、意を決してスマホに手をかける。
コールをかけて暫くすると、向こうは出た。
椛「もしもし?」
1週間ぶりに聞くその彼女の声は、電話越しでも、酷く懐かしさを感じる。
その一言で、満たされる安心感と高揚感で胸が熱くなる。
景光「椛さん。
景光です。」
椛「ヒロ君。
卒業おめでとう♪」
景光「椛さん。
ありがとうございます。
元気にしてましたか?
変な男は、何かしてきたりしてないですか?」
椛「ふふふっ。大丈夫w
元気にしてるし、変な男も今はもう大丈夫w」
景光「そうですか。
それは良かった。とりあえず一安心です。」
椛「気にしてくれててありがとうね。
警察学校生活は総じてどうだった?
大変だった?楽しかった?」
景光「長かった様な、短かった様な…
色々な事がありましたが、とにかくとても毎日充実してました。」
椛「そうか。それは良かった。」
景光「僕の人生に必要な時間でした。
それに、大切な仲間が増えましたし。」
椛「おぉ。そうね。
いつも話してくれてたゼロ君を含む、彼らね♪」
景光「はい、かけがえの無い『大切な仲間達』です。」
椛「そっか。それは良かったね。
人との縁は大事だよね。
機会があれば会ってみたいな…。」