第15章 郷愁の味覚(テイスト)
椛「えっ??何これ!
中身のお菓子もすごい可愛い!!」
景光「丸正醸造の信州二年味噌とキャラメル、くるみ、ごま、ライフパフを最中に詰めたお菓子なんです。
地産地消で、お味噌も入ってるし、デザインが素敵だなと思って、これにしました。」
椛「ええっ!!凄いヒロ君!!
センスも抜群なんだね!!
凄い嬉しい〜!ありがとう!
大事に頂くね♪」
景光「喜んでもらえて良かったです。
ホッとしましたw」
渡すまでドキドキして居たが、彼女の喜ぶ姿を見て、取り敢えずホッとする景光。
椛「それにしても本当〜、凄いな…
ヒロ君って何でも出来て完璧だよね。
彼女になる人は幸せだね〜。」
よっぽど頂いたお菓子が気に入ったのか、会話を続けながら結局中身を箱から取り出す。
鞠が描かれた美しい紋様を照明にかざす様に上に上げると、未だマジマジとお土産を見ている彼女。
景光「…僕に彼女は居ませんよ。」
先程よりも急にトーンを落として、答える彼。
椛「?
そうなんだ。
大学生だし、モテそうだし、てっきり居るのかと思ってたよ♪」
未だにお菓子の観察に夢中な彼女は、彼の変化にまだ気付かない。
景光「椛さんは?
彼氏さんとか居るんですか?」
その言葉に一瞬、彼女の手が止まった。