第15章 郷愁の味覚(テイスト)
椛「それでそれで??
どこまで再現して作ったのぉ??」
身を乗り出して尋ねるその表情は、とてもワクワクして答えが待ちきれないといった様子だった。
そんな『椛先生』の姿に、思わず笑みを溢す。
景光「結局、肉類は鶏肉を、教えて頂いた通り、塩麹とハーブ類で漬けて蒸して、鶏ハムは自分で作りましたので、市販品は使いませんでした♪」
椛「ええっ!!凄いじゃん!!
流石ヒロ君!」
カフェで大きな音は出せないので、音が出ないように静かに拍手している彼女。
景光「ぬか床は持ってないので、マヨネーズを取り敢えず自分でブレンダーで作って、それを使いました♪」
椛「おぉ!!重ね重ね素晴らしい!!」
再び、嬉しそうに静かに拍手を送る。
景光「そのマヨネーズに、頂いた白味噌を入れてマヨネーズにしたんですけど、
『市販品だとどれだけ味が違うのか』試してみたくなって、冷蔵庫にあった『普通の市販品の味噌バージョン』も作ってみたんですよ!
味見分ぐらいだけ!」
椛「おぉ!おぉ!
留まることを知らない探究心!
どうだった??全然味違うでしょ!?」
景光「全〜〜然!!味違いますね!!
旨味の出方がやっぱり違うんですね。
アレでレポート書けそうですよ…」
椛「あははははは!
そのレポートは是非、拝見させて頂きたいなw」
そのまま、暫く続く料理トーク。
今までの料理との違いについて、熱心に語る景光の話に、彼女は微笑ましく耳を傾けていた。