第15章 郷愁の味覚(テイスト)
~今から7年ほど前~
「お疲れ様です~!」
「椛先生、今日もありがとうございましたぁ!」
「ありがとうございました~!」
「はーい、ありがとうございました~♪」
「お疲れ様です~!」
「失礼します~!」
今日の講座が終わり、片付けが終わった生徒さん達が順に退出していく。
今日は、お味噌作りの講座だった為、教室内は未だ、大豆の良い匂いに包まれている。
そんな中、まだ1人教室に残る生徒さんがいた。
景光「椛先生?
講座の後で申し訳ないですが、少し質問良いでしょうか?」
椛「ヒロ君。
もちろん!なんでしょう?」
彼の名前は『諸伏景光』。
東都大学法学部に通う大学4年生だ。
今、学校は冬休みの為、その期間だけ単発で受講しに来ている。
大学生しかり、今回の冬休みのように、春休みや夏休み等、大きな休みの期間は、小学生から大学生まで、学生さんの受講者が増えるシーズンでもある。
彼も、その期間を活用して受講しに来てくれている一人だ。
景光「椛先生は、、、
洋食系も何でも作りますか?」
椛「物によるかな。
何か困ってるお料理があるのかな?」
景光「そうなんですけど、、、
今日の講座内容とは関係ないし、、、
やっぱりいいです!
すみません、変な事聞いて。」
どうやら、今日の講座内容の質問では無いようだ。
流石にやはり悪いと気を使ったのか、会話を途中で切られる。