第14章 長野のコウメイ警部
彼女を見送った車内では、安室が1人険しい顔をして、考え込んでいる。
先程まで話していた、昔懐かしい『親友ヒロ』との思い出が、走馬灯のように脳内を駆け巡る。
安室(本当、どんな巡り合わせだろうな…
あの『彼女』に今、
俺が心惹かれてしまっていると知ったら…
ヒロはどう思うだろうか…
『ほらぁ〜!!
だから僕の言った通りじゃないか!!』
と言って、笑い飛ばしてくれるのだろうか…
…なぁ?
…ヒロ?)
考えても答えが出ないその問いを、頭の中で自問自答しつつ、夜の街並みを1人、帰路に着く安室であった。