第9章 芝浜離宮恩賜庭園
椛「今日は絶好の庭園探索日和ですね♪」
安室「えぇ。
天気が良くてほんと気持ちが良いですね♪」
今日は春薔薇がちょうど満開との事で、芝浜離宮恩賜庭園に朝から来ている。
前回、ミッドタウン杯戸爆発事件で無くなってしまった、『庭園探索』の代替え予定だ。
今日来ている庭園は、古くは大名屋敷の庭園として作られていた為、見事な日本庭園が広がっている。
出かけ先を何処にするか決める時、前回
『次は安室さんが行きたい所』
とリクエストした結果、彼はこの場所に行こうと提案してきた。
入り口でチケットを購入して、庭園内に足を踏み入れる。
開園時間直後の為、まだあまり人は居なく、美しい庭園の景色が目の前いっぱいに広がる。
まるで都会に居る事を忘れてしまいそうな美しく完成された空間に、思わず感嘆のため息が出る。
椛「安室さんは今日何故この場所を提案してくれたんですか?
日本庭園がお好きなんですか?
それともお花散策が好きなんですか?」
入り口横の園内のマップの立て看板の前に2人並んで立ち、どの経路で回るか確認しながら彼女は問う。
安室「日本庭園はもちろん好きですよ。
日本庭園は、『景観を完璧に計算し尽くした素晴らしい作品』だと思います。
花はもちろん好きですが…
花に限らず『四季を感じる風景に触れる事』が好きです。
あと一番は、なんとな〜く、椛さんもそういうのはお好きかなと思ったので♪」
そう言って横に並ぶ彼女に微笑みかけた。
椛「そうでしたか。
ありがとうございます。
流石よく見抜きますねw
私もどちらも好きですよ。
四季を愛でる事が出来るって、素晴らしい事ですよね♪」
目の前に広がる美しい景色と、園内に流れる穏やかな空気に心が癒されている事を感じる。