第8章 裏の理事官
〜そして現在〜
黒田「そろそろ時間だ。
上がる準備をしよう。」
イヤーマフを外して黒田が彼女に合図する。
椛「はい!
今日もありがとうございました!!」
そう言ってサッと後片付けし、射撃場を2人で出る。
黒田「今週の予定はどんな感じだ?」
出口に向かう為、エレベーターに乗り込みながら質問された。
椛「明日の月曜日は半分仕事半分オフで、火曜日に彼と会う事になってます。
水曜日はコナン君と放課後会う約束をしていて、木金は仕事です。」
黒田「そうか、また何かあったら連絡してくれ。」
椛「分かりました。
では今日もありがとうございました。
失礼します。」
黒田「あぁ、気をつけて帰れ。」
軽くお辞儀をし、外に出る。
黄昏時に染まる美しい空が目に映った。
射撃の訓練をしながら接触の機会を待ち、そして先日のポアロで『対象の人物』と初対面を迎えた。
契約書にサインしたあの日から、何だかあっという間に日々が忙しく過ぎていき、ポアロでの出来事も遠い記憶に感じる。
実際に彼と接触してから、まだそんなに日数は経っていないが、まだまだこれから色々事がありそうだ。
だが既に
『あの時、この依頼を受けて良かったな』と強く思い始めている。
一度引き受けたからには、彼が『今回の任務』を終えるその日まで、しっかりと自身の役目を果たそう。
『ゼロの協力者』として。
そう改めて胸に誓い、家路につくのであった。