第40章 立夏の約束事
安室「なるほど…
その質問の仕方だと貴方は、
『それも対象に含ませたい』
というニュアンスに、僕には聞こえますけど?
僕に対して椛さんも、
『自分が選んだ服は着せたいし、脱がせたい』と…
そう思ってると捉えてもいいんですか?」
椛「えぇ、いいですよ…」
安室「ふふっ…
では、そこも対象に含めましょう。
僕たち2人だけの、秘密のルールですね。」
何とも妖艶な声色に、視線を思わず彼に向ける。
そこには色気を交えて怪しく光る瞳と、口角を軽く上げて笑みを浮かべる彼の姿があった。
あまり見た事ない彼のそんな表情に、鼓動が一瞬大きく跳ね、ごくりと息を飲み込む。
椛「それはバーボンの時の表情なの?
妖艶すぎる…」
安室「えっ?」
椛「そんな笑みで攻められたら、女性はひとたまりもないでしょうね…
なんだか妬けちゃう…」
安室「はぁ…
椛さん……
僕の一世一代の恋を…
組織での僕と重ねるなんて…
酷いですよ…」
椛「ごめんごめん、今まで見た事ない程、安室さんの声と表情が妖艶だったから…」
安室「それって、僕の声と表情に、ドキドキしてくれたって事ですか?」
彼からの仕返しだろうか。
今度は試す様にかけてくる質問に、一瞬言い返そうとするが…
先程少し言いすぎてしまったと思ったのか、ここは素直に答えてみる。