第2章 SYUNT
「適当に座っていいよ」
そう言いながらシュントは冷蔵庫から飲み物を出す。
はじめて部屋にあげてもらって、私はドキドキ半分、嬉しさ半分で妙にテンションがあがっている。
キョロキョロ落ち着きなく部屋を見渡す。
オシャレな男の子の部屋って感じだ。
「あんまみんなよ」
飲み物を運んできたシュントは、ぶっきらぼうに言って、その後でふいにニカッと笑った。
私はこのギャップに弱い。
塩対応っぽいのに実はメチャクチャ優しいし、
無口かと思ったら饒舌になるし、
見た目ヤンチャなのに繊細だし、
辛口だけど家族想いで、
クールなのに負けず嫌い。
シュントの魅力は底しれない。
出会ってからずっと沼に落ちていくばかりだ。
ソファーに座って飲み物を飲みながら他愛もない話をした。
「そんな端っこ座るなよ」
「もっとこっち来いよ」
そう言って彼から距離を詰められる。
掠れたような声はとってもセクシー。
少年のような無邪気さは姿を消し、雄の表情になる。
顎を引き寄せられてキスされる。
もう永遠に、この沼から抜け出せる気がしない。