第3章 お前も一緒に来るか?
國神は一瞬ギョッとするも、
「……お前なあ」
サッカーのプレーと同様、相手のペースに乗らないよう冷静になる。
「それに気付くくらい逸崎のことをずっと見ていたってことは、つまり
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お前だってその気になっていたってことじゃないのか?」
チームメイトは返す言葉がなくなり、逆に一本取られたことで、周りは「おおー言うね國神」と感嘆を漏らす。
マックのレジの列に並び、順番にオーダーしていき、順番に受け取っていく。
「ま、気持ちは分かるけどよ。逸崎さん、フツーに可愛いし、サッカー上手くて運動神経抜群ってサイキョーじゃね?」
「確かに。勉強とかも出来たら、マジで強くね?実際どーなんだろ?」
「俺同じクラスだから、これから色々と話せるのが楽しみだわ〜。早く日直、一緒にならねェかな」
「早速アオハルしてんなお前」
テーブルを囲んで皆でハンバーガーを片手にワイワイと盛り上がる中、國神は頼んだバーガーを黙々と食む。
彼女のことで考え事をしていた。
サッカーのこと含め、逸崎が褒められたり、皆から認められるのは、まるで自分のことみたいに嬉しく思える。
國神自身も小学生の時、サッカーをやり始めて、それから友達が増えて、段々と認められていった過去があるからこそ、より実感する。
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なのに、逆にモヤモヤする。
(誰と仲良くなるかは逸崎自身が決めることだ。それは…分かってんだけどな……)
はっきり言うのであれば、國神は
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嫉妬していた。
一番先に仲良くなった自分以上に、逸崎が他の男子の隣にいることを想像すると、
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許せない気持ちになってしまう。
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(表面上はただの"友達"(ダチ)だ。嘘を吐いたつもりはない。俺の一方的な気持ちの問題だからな…)
國神自身もそれを自覚しており、頭を悩ませる。
要するに國神も同様、アオハルだった。