第3章 お前も一緒に来るか?
國神は自分の首元を触れて言う。
「俺もさ、姉ちゃんや妹の遊びに付き合って(本当は付き合わされたんだがな……)ままごとやら色々やったこともあるからな。好きなものに関しては、やっぱ家族の影響ってあるよな」
「……うん。きっとそうだね」
弱々しい返事の声と微笑み。伏せがちな目つき。
そして何より、ネックウォーマーで口元を隠す癖。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
サッカーをやっていた昨日とは全く別人みたいな
・・・・・・・
自信の無い態度。
何より決定的なのは……
「あ、そういえば放課後で、何か言いかけていなかった?」
「!」
逸崎は思い出したように聞く。
『不足してんのは、運動量って話じゃねえだろ』
『え…』
逸崎は一歩引くが、國神はそれ以上に詰め寄る。
『お前…本当は……』
「って、確か何か聞きたそうだったよね?」
「……聞いていいのか?」
國神の問いに、逸崎は軽く微笑む。
「その……昨日言ったけど、気兼ねなく聞いてくれた方が、友達っぽくていいし、それに…」
そして恥ずかしさで顔を逸らし、ボソッと言う。
「國神くんなら、いいかなって……」
「!」
勘違いされるような答え方だが、それが逸崎の嘘偽り無い本心であった。
本当のことだから、隠す必要なんてない。
「………飯」
「飯?」
沙織さんの言ったことがドンピシャして、ご飯の誘い?かと思いきや、違った。
「ちゃんと食ってんのかなーって思ったんだ。お前」
「!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
同じくサッカーをやっているからこそ、逸崎に抱いていた違和感を聞かずにはいられない。
「昨日おぶった時も、スポーツしている割には軽過ぎた気がして、普段ちゃんとご飯食べてねえんじゃねーかなーと思って」
制服で体のラインがはっきり分かったから、あの時ピンと来た。
國神がずっと引っかかっていたのは、逸崎の
・・・・・・・・・・・・・
明らかに痩せ過ぎている身体であった。