第10章 オフ②
『え……?同点⁇』
スコアは9対9
玲王と凪君のチームが追いついてる⁇
てっきり蟻生君と時光君のチームの圧勝かと思ったのに…。
「10点先取やから次、取った方の勝ちや。」
「最初は蟻生君達に押されてたけど玲王君と凪君もさすがのコンビネーションだね、あそこから巻き返すなんて凄いよ。」
「うわ、マジかー。あの2人にちゃん取られんの、何か癪なんだけどー。
オシャネガペア頑張れ〜。」
『・・・・。』
ちょっと待って。
これ、玲王と凪君が勝ったらーーーー……
気まずくない⁇
遊びでやってるはずなのに私を含め、妙な緊張感が走る。
そんな皆んなが注目する中、サーブは凪君。
「凪、次ぜってー取るぞ?」
「うん、分かってる。」
2人がアイコンタクトを取るのを固唾を飲んで見守っていると
玲王と視線が重なった。
あまりに真っ直ぐな瞳を向けられ、心臓がドキッと音を立てる。
時間にしたらたった数秒程度、何か訴えるようなその瞳はすぐに逸らされ、目線は相手コートへと戻っていったけど……
"試合に勝ったら俺とちゃんと向き合え"
そう言われたような気がした。