第10章 オフ②
(ーーーーてか凪君、、、めっちゃくちゃ筋肉質…‼︎)
ダボっとした格好をしてるから見た感じはそこまで分からなかったけど、こうして密着してみると太腿の筋肉が凄い。
きっと見えないだけで上半身も鍛え上げられてるんだろうなと想像するのは容易い。
「あともうちょい、痛かったらごめん。」
『っ、だ大丈夫だよ…。』
変な想像をしていた訳じゃないけど、つい声が吃ってしまい恥ずかしくなる。
(凪君て淡々と話すし表情もあまり変わらないから冷たいイメージだったけどーーーーー)
時折感じる手の動きが、私が痛くならないようにと丁寧に解いてくれているのが伝わってきて。
実は優しい人なのかも、と密かに頬を緩ませていると
「ーーーあ、解けた。」
凪君の一言に、『ホント?』と勢いよく顔を上げると至近距離で視線が重なった。
『・・・あ、ありがとう。』
眠たげな薄いグレーの瞳が僅かに見開かれる。
見入ってしまいそうなほど大きな瞳に色白な肌、色素の薄いふわふわの髪の毛。
(ーーーー大型犬みたい……)
母性を擽られる見た目に思わずよく出来たね、と撫でてあげたくなる衝動に駆られそうになる。
いやいや…そんな事より
『ごめんね、ありがとう。』
と慌てて凪君の上から退こうとした時、腰に凪君の手が回された。
『・・・凪君?』
「・・・・。」