第10章 オフ②
「アンタさ、玲王と仲良いの?」
『えっ?痛っ、、、』
「まだ引っ掛かってんだから動かないでよ。」
『はい……』
ごめんなさい、と凪君の胸に顔を埋めたまま身を縮こませる。
「最後に会ったあの日、食堂でアンタが俺に言ってきた事ってアレ、玲王の事でしょ?」
『あー…あれは、、、』
「ケアスタッフ、だっけ?性欲を解消させるって聞いたけど、随分深い話もすんだね。」
平坦な口調でそう話す凪君の感情はイマイチ読み取れない。
『・・・・誤魔化すつもりはないけど、玲王とは身体の関係は一切なくて。
寝不足が続いてるようだったから一晩、紅茶を飲みながら話を聞いた、それだけ。
その時に凪君の話も少しだけ聞いたの。』
「・・・ふーん。」
『あの時は知ったような事、言ってごめんなさい。』
「別に。何で玲王がアンタに話したのかちょっと興味あっただけ。」
『それは多分…弱ってる時にたまたま私がいたからだと思うけど…。』
「・・・・。」
あれ…黙っちゃった…?
返事がない事を不思議に思いつつ、まだ解けないのかと聞きたい気持ちをぐっと堪える。
ーーーーやばい、、、足がプルプルしてきた、、、
完全に体重を掛けるのは申し訳なくて足で踏ん張っていたけどさすがに限界が近い。。。
そんな私の異変に凪君も気づいたようで、
「・・・なんか震えてない?」
『ご、ごめん……これでも体重掛けないようにしてたんだけど、、、もう足が限界かも、、、、』
「え、そんなの気にしなくていいのに。アンタ1人ぐらい全然平気だから。それに重かったら重いって言うし。」
『・・・・じゃ、じゃあお言葉に甘えて…。』
ごめんね、と遠慮がちに凪君の太腿に体重を乗せると、「軽いじゃん。」と相変わらず平坦な声が返ってきた。