第9章 オフ①
あれからカフェを出た私達は今、とあるゲームセンターへと向かって歩いている。
というのも、そこに潔君達と待ち合わせしていた筈の凪君がいるらしい…。
(待ち合わせ場所に来ないでゲームしちゃうあたり、やっぱりマイペースだなと思う。)
それにしてもーーーー
「あのっ!ブルーロックの人ですよね⁈」
「試合観ました♡写真とか撮っても良いですか⁇」
「えっ⁈背高っ‼やばい〜︎イケメン‼︎‼︎」
誰1人変装なんてしてないし、これだけメンバーが揃ってゾロゾロと歩いてたら目を引くのは歴然で。
すでに注目を集めていた。
やっぱり目立つよなぁー……。
写真を撮られたり、声を掛けられている彼らをぼんやりと眺めながら私は数メートル後ろをゆっくり歩く。
(それにしても完全に帰るタイミング失っちゃったなー……玲王の前であんな風に振る舞った手前、そそくさと帰るのもおかしいし…。)
どうしたものかと考えていると、前を歩いていた千切君が足を止め振り向いた。
「、ぼんやりしてると置いてかれるぞ?」
『あっ、うん…』
足を早めて千切君の少し後ろで立ち止まると千切君は不思議そうに顔を傾けた。
「ん?ほら行くぞ?」
『うん、周りの目もあるし少し後ろから着いて行こうと思って。ちゃんとはぐれないようにするから先歩いて?』
そう言うと千切君は不満気に眉を寄せ、私のすぐ目の前まで来ると頭にポン、と手を置いた。
「周りの目なんてどーでもいいし。そんなん気にしてたら楽しめないだろ?」
『そうかもしれないけど……』
「せっかくの貴重なオフ、俺はと一緒にいたいって言ってんの。」
綺麗な顔で覗き込まれ、思わずぐっ…と口篭ってしまう。
「ーーーそれに色々聞きたい事もあるし?」
『・・・・はい。』
嫌とは言わせないとばかりな強い目力に負けた私は小さく頷いた。