第9章 オフ①
『・・・玲王‼︎』
「まさかと思ったけど…え?つーか何でここにいんだよ⁇」
『えっとー……」
「やべぇ……驚き過ぎて頭真っ白になった。1人か⁇」
『いや、それがー……』
目を泳がせる私を見て、玲王は眉を顰める
「玲王君…この人知り合い?」
「さすがは御曹司、渋谷でガールフレンドと遭遇とはオシャ、だな?」
入り口にいた背の高い人ともう1人、後ろからひょこっと困り顔な男の子が覗き込んできた。
ーーーー玲王の知り合いって事はこの2人も……⁇
てかこのモデルみたいな人、試合で観た気がする…‼︎
「2人ともわりーけど、俺ちょっとこの人と話しあるから先行っててくんね?」
「えっ?けど皆んな待って、、」
「時光青志、ここで2人の邪魔をするのはノットオシャ、だぞ?」
「うっ、、そ、そうだね…。玲王君、皆んには伝えておくから。」
「あぁ、わりーな。、一旦外出るぞ?」
掴まれた手はそのままに、有無を言わさず店の外へと連れ出される。
テラスから丸見えなんじゃ、と思ったけどそこは玲王も考えたらしく、テラス席とは反対側へと手を引かれた。
少し行ったところで足が止まり掴んでいた手が離れるけど玲王は背を向けたまま。
『玲王……』
怒ってるのか不安になり控えめに呼びかける。
すると
「マジ、、、もう会えないかと思った……」
振り絞るように呟くと同時、突然抱きしめられた。
背中に回された腕は力強く痛いぐらいでーーーー
心がズキンと痛む。
『・・・うん。私もそう思ってた。』
「急にいなくなんなよ……ばか。」
『・・・・バカは酷くない?』
顔を上げると玲王は少しだけ腕を緩め、じっと私を見つめてきた。
「ハーブティー、食堂にあったけどが置いてったんだろ?
あれ見た瞬間、嫌な予感して部屋行ったらもう居なくなってるし。
結構、、、、かなりへこんだ。」
『いつでも話し聞くって言ったくせに、約束破ってごめん。』
「・・・・仕事だから仕方ない。って分かってるけどーーーーーそれでもやっぱり会いたかった。」
『っ、、、』
切なげに眉を下げる玲王の表情に心臓がドキッと音を立てる。
(そんな顔で"会いたかった"なんて言われたら勘違いしちゃうよ、、、)