第9章 オフ①
ーーーまさか玲王まで来るなんて……。
予想外の展開に鏡の前で短く息をはく。
私…そもそもここに居ていいのかな……?
乙夜君に誘われたとは言え、場違いだよね……⁇
鏡に映るのは自信無さげな表情を浮かべる自身の姿。
もう彼らは普通の高校生じゃない。
一夜にして日本のサッカー界をひっくり返し、数万人の観客を沸かせたサッカー選手達だ。
その注目度の高さはネットニュースにも取り上げられるほどで。
(私が一緒にいる事で変な噂とか悪い評判が立ったらどうしよう………
さすがにこのまま消える事はしないけど、玲王が来たら挨拶して早めに帰ろうかな…。)
その方が皆んなも気を遣わずに済むだろうし。
ーーーうん、それがいい、そうしよう。
よし、と気合いを入れ直し店内へと戻る。
その時ちょうど新規のお客さんが入って来たようで入り口には背の高い人男の人がスタッフの人に案内を受けていた。
スタイル良いなぁ…と思いながらテラスへ戻ろうとした時、
後ろからぐっと腕を掴まれた。
「っ、、⁇」
突然の事にビクッと肩を震わせ振り向くと、そこには驚いた様子で目を見開く玲王がいた。