第9章 オフ①
『あのー…他にもまだ誰か来たりするんですか?』
「あぁ、えっとー…蟻生君と時光君、それと玲王君が来る予定だよ。」
『え?玲王⁇』
つい声が裏返ってしまった。
ハッと口を手で覆うも3人の視線が刺さる。
(玲王って、あの玲王、、、だよね⁇
もう会う事はないと思ってたのに……まさかこんなに早く再会するなんて……)
「玲王君にアパレルブランドの立ち上げの相談をしたくて。彼、その手の話し詳しいみたいだから。」
「俺も将来の為に株の事教えてもらお思って。そんなん聞けるヤツ他におらんからな。」
『へ、へぇ……』
(ブランドの立ち上げ?株、、、⁇)
高校生の会話とは思えない内容に驚きを隠せないでいると、乙夜君が横から顔を覗き込んできた。
「そんは話し退屈じゃない?ちゃん俺と2人で抜けちゃおっか♡?」
『ん〜…確かに私には難しい話しかも。
てかごめん、ちょっとトイレ行ってくる。』
え〜、と口を尖らす乙夜君にごめんね?と断りを入れ席を立つ。
店内へと入ってくを見届けると、烏旅人が徐に口を開いた。
烏「ちゃんみたいな美人さんがあっちのケアしとったとはなぁ。」
乙「何?ヤっとけば良かったとか思ってんの?」
烏「ハッ、別にそう言うワケちゃうけど。もっとゴリゴリの玄人のオネーサンがやっとると思ってたから驚いとんねん。」
雪「あぁ、確かに。ちゃんて良い意味で普通っぽい、ってゆうか染まってない感じがするかも。」
烏「せやから、、、危ないで?」
「「・・・?」」
烏「あっちはその気は無くとも男は勘違いするやろなぁ。
一度抱いたら沼にハマる女やで?」
烏と雪宮の視線が乙夜に向けられ、本人はえ?俺?と言わんばかりに自身に指を向ける。
乙「・・・・ハマっちゃった感じ?」
烏と雪宮は乙夜から視線を外すと黙ってコーヒーを啜った。