第9章 オフ①
「で?ちゃんてぶっちゃけ何歳?都内在住?」
『・・・都内在住のハタチ、だけど。』
「てことは俺の2コ上?いーね、アガる♪歳上大好き♡ 好きなタイプは?てか彼氏っていたりする?」
『いません……ってちょっと、合コンみたいなんだけど。』
矢継ぎ早に飛んでくる質問にストップをかける。
「だってちゃんのコト、俺何も知らないし。もっと知りたいじゃん?
昨日の電話の時も最初は名前すら分かんなかったから新手のトラップかと思ったし。」
『それはまぁ…ごめん。』
「いーよ、これから色々知ってくつもりだし?
ゆっくり仲深めてこ♡」
『・・・・。』
目を細めて笑いながらコーヒーを啜る乙夜君。
さっきの可愛さは幻だったのか?と思うほどすぐに通常運転に戻った彼を一瞥しつつ、ショートケーキをパクッと頬張る。
『んっ、美味し〜♡』
思わずパタパタと足踏みしてしまう程、久々のケーキにテンションが上がってしまう。
「プッ、何その可愛い反応。ちゃんて甘党なの?」
『甘党ってワケじゃないけど、食べるのが好きなの。甘いモノもガッツリ系も、美味しいものが好き。』
喋りながらもまた一口、大きく口を開けてケーキを食べようとした時、
「いーね♪俺美味しそうに食べる子、めっちゃタイプ。」
そう言いながら乙夜君は私の手を掴むとフォークを自身の口元へ近づけパクッと食いついてきた。
「ほんとだ、うま♪」
『・・・・普通に言ってくれればあげるのに。』
「普通に食べるよりちゃんから"あーん"してもらった方が美味しいじゃん?」
『"あーん"した覚えはないけど。』
「じゃあもう一回♡」
テーブル越しにグイッと顔を近づける乙夜君。
そんなに食べたいならケーキ頼めばいいのに、と思いながらも『しょうがないなぁ』とフォークを口元に近づけた時ーーーー
「何しとんねん、エロ忍者。」
「乙夜君、随分楽しそうだね?」
背後から声がした。