第9章 オフ①
テラス席へ座りメニューを眺めていると、乙夜君がブランケットを差し出してきた。
「外寒いっしょ?お店で貸し出ししてたから。」
『え、ありがとう…。』
「あ、今キュンて顔した?」
『・・・その一言がなければ尚良かった。』
「マジ?ちょっともっかい渡すとこからやり直してい?」
真面目な顔でそんな事を言うから思わずフッと笑うと、乙夜君は突然顔を背けると片手で顔を覆った。
「やべー…ニヤけ止まんねー…」
『?』
「ちゃんとこうやって一緒にいんのがマジで嬉しくて。
待ち合わせの時からニヤけそうになんのずっと我慢してた。」
まさかそんな風に思ってもらってたなんて……
意外な反応に目をぱちぱちと瞬かせる。
『乙夜君、ずっと余裕そうに見えたけど……』
「余裕ぶってた。けどやっぱこーして向かい合うと顔が緩むし何か、、、恥ずい。」
正面に座った乙夜君の耳はほんのりと赤く染まっている。
ギャップ萌え、というやつだろうか…
そんな姿が可愛いと思ってしまう。
今日は色々な一面が見れそうだな、と思っていたのにーーーーー