第8章 キックオフ
お手洗いに行って来たはずの社長の首には何故かSAEとロゴが入ったタオルマフラーが首に巻かれていて……
見てみぬフリをしようとしたら「はい、こっちはの。」とAIKUとロゴが入ったタオルを渡された。
「何よその不満げな顔は〜。仕方ないでしょ?ブルーロックのグッズは売ってないんだから。
あ、もしかして閃堂の方が良かった?」
『・・・・いえ、別に。』
強制的に首にタオルを掛けられ後半戦を観戦する事になった。
ーーー
後半が始まり、流れは完全に日本代表のものになっていた。
そのキーマンはなんと、、、
『あの悪魔っ、、、‼︎』
ギリッと奥歯を噛み締め拳を握り締める。
あの夜の事は忘れもしない……。
一瞬死にかけた恐怖が頭を過り、無意識に首に手を当てる。
悪魔こと、士道龍聖は何故かU20日本代表チームのメンバーでブルーロックのゴールを開始早々揺らした。
彼が投入された事で日本代表側は全く違うチームになり、その勢いにブルーロックのペースは乱れているように見える。
そしてさらに追い打ちをかけるようにーーーーー
負傷による選手交替。
DFをしていたニ子君ともう1人、千切君だった。
『ーーー……』
身を乗り出しベンチへと下がって行く彼を目で追う。
足……痛めた?
潔君が蹲まる千切君の足を伸ばしてあげてたけど………
チラリと見えたその表情は歯を食いしばり悔し気に顔を歪ませていて
胸が締め付けられた。