第7章 7夜
もともと荷物は多くない為荷造りは数分で終わってしまった。
身支度も終わり、ぐるりと部屋を見渡したところでふとある物が目に止まる
『あー…。』
ストッカーに常備していた紅茶やコーヒーとカップラーメン。
(これどうしよう……荷物になるし置いていこうかな……。
私が出た後、また誰か入るかもしれないし。)
そんな事を考えながら、いくつかある箱の中から徐にハーブティーの箱を手に取った。
(玲王に嘘ついちゃったな……。
いつでも話し聞くとか美味しいハーブティー淹れるとか…。)
もしまた玲王がここを訪ねて来る事があったとして私が居なくなってたら……
悲しませてしまうかな…?
思い浮かぶのは辛そうに顔を歪める玲王の表情。
うーん…。。。
悩んだ末、私はハーブティーの箱を手にし部屋を後にした。
ーーーーー
玲王と直接会う事はもう出来ない。
約束を破るカタチになってしまって謝る事も出来ないけど……
ハーブティーの箱を手に、食堂の中をそっと覗きこむ。
(この時間なら誰もいないよね、、、?)
昼は過ぎ、きっと彼らはトレーニングに精を出してる頃のはず。
『・・・・ん?』
静まり返った食堂のど真ん中でポツンと1人、テーブルに突っ伏している姿が目に入る。
後ろ姿だけど特徴的な髪色をしている為すぐに誰だか分かった。