第7章 7夜
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『契約終了………?
それってつまり、ここでの……ブルーロックでの仕事は終わりって事ですか?』
頭が追いつかなかった。
一瞬真っ白になった頭を何とかフル回転させ社長の話を整理していく
その内容はというと、、、
日本サッカー界のお偉いさん方はブルーロックプロジェクトをすぐにでも打ち切りにしたいらしい。
そこでブルーロックの総指揮者はU-20日本代表対ブルーロック選抜の特別壮行試合を持ち掛けたというのだ。
そこでブルーロック選抜が勝てば日本代表をジャック、負ければプロジェクトは消滅。
その命運を懸けた試合は3週間後、その限られた時間内で彼らは現日本代表に勝つ術を磨かなければならない。
ブルーロックの存亡と彼らのサッカー人生が懸っている試合を前に、こんなとこで油を売る時間なんて1分、1秒たりともない。
要は"お役御免"
普通に考えれば当然だ。
「珍しいわね。いつもなら一つ返事で電話切るのに。何か問題でもあった?」
『いえ、別にそう言う訳じゃ……。』
「そう?なら良いけど。
あ、そうそう!その試合の観戦チケット貰える事になったからも一緒に観戦しましょ?関係者席だからきっと良い席よ〜?」
『はぁ…。』
ただじゃ終わらないところがこの人らしいな、と思いつつ返事をする。
それから通話が終了してもしばらく携帯を握ったまま立ち尽くしていた。
そっか。
終わりかーーーー。
得体の知れない喪失感。
いや、実際私は何も失ってない……
失ってないのに何だろう、この気持ち……
初めての感情に戸惑い自信の胸元をぎゅっと掴む。
窓もない地下室に一日中閉じ籠り、自由に外も出歩けず。
これじゃまるで本当に監獄じゃないかと辟易していたはずなのにーーー。
ここでの生活を……………………ちがう。
もっと知りたかった。
もう少しだけ一緒にいたかった。
どんなカタチであれ、彼らを側で見ていたかった。