第6章 6夜
『・・・よし。何か温かいものでも飲もう。』
こういう時は温かいものでも飲んでリラックスするのが一番良い
気持ちを落ち着かせていつも通りの"モカ"に切り替えよう。
のそのそとベッドから起き上がり電気ケトルのスイッチを入れる。
(・・・小腹減ったし、カップラーメンでも食べちゃおうかな、、、)
キッチンが部屋にある訳じゃないけどお湯ぐらいは沸かせる為、インスタントの飲み物やカップラーメンは常備してある。
(食べてすぐ寝なければいっか……)
1人言い訳をしながらカップラーメンへと手を伸ばし、ビリビリとパッケージを開けていると
トントン、、、
『・・・⁇』
ノックの音が聞こえた……ような気がした。
随分控えめな音だったしそもそもこんな時間に誰かが訪ねてくるなんてまず有り得ない
(気のせい、、、だよね……?)
それにここに来る"お客"はノックじゃなく、扉の横にあるボタンを押すはずーーーーー
『あっ……もしかして、、、』
1人思い当たる人物が頭に浮かび、慌ててモニターを確認する
すると案の定、扉の外に立っていたのはーーー
『こんばんは。』
扉を開け出迎えると、紫の髪の彼は目を見開き固まっていた。
『・・・そんなお化け見るような顔、しないで欲しいんだけど…。』
「いや、わりぃ…まさか起きてるとは思わなくて。」
『フッ、だから控えめにノックしたんだ?』
バツが悪そうに頭を掻きながら「まぁ…」と小さく頷いた。
普段なら仕事でもない限り、部屋に人を入れたりはしないけど、
『とりあえず中、入って?』
私は彼の手を引き招き入れた。