第2章 2夜
「それにしてもこのフロアめっちゃ静かだけどモカの他に誰かいんの?」
『あー…多分いないと思う。備品倉庫がいくつかあるぐらいじゃないかな。』
「え?マジ⁇それってーーー」
「モカ、部屋あそこだろ?」
潔君の言葉を遮るように千切君が口を開いた。
『あ、うん。2人ともありがとう…。助かりました。』
「いいって。それより早く休んだ方がいいぞ?」
『そうだね…そうする。』
2人から離れペコッと頭を下げる
「じゃあまたな、モカ。」
片手を上げニカッと笑顔を見せる潔君の隣で、千切君が何か言いたげな表情でこっちを見ていた
ん?と小首を傾けると、千切君は「いや、何でもない」と首を横に振り行ってしまった。
千切君の様子が食堂にいる時とは明らかに変わっていたのは何となく感じていた。
多分、私がここで何をしてるのか気付いたのかもしれない。
(まぁ……このフロアに1人しかいないって怪し過ぎだもんね。)
今はそれよりもーーーーー
夜までに腰をどうにかしないと。
イタタタ…と腰を摩りながら予約が入らない事を願った。