第2章 2夜
『いっ、、、‼︎‼︎』
腰にビキッと痛みが走り声にならない声が出た。
何とかトレーは落とさないで済んだものの、カシャンと食器同士がぶつかり合い音を立ててしまった
「ーーーーどうかしたか?」
『う、ううん…何でもない、気にしないで?』
心配そうな顔で駆け寄って来た潔君に貼り付けた笑みを浮かべるけど、口元が引き攣ってしまう。
(まさか昨夜の行為が激しくて腰を痛めたとは言えない。)
すぐに動く事も出来ずに腰を浮かしたままの状態で固まっていると、
「もしかして腰痛めてんの?」
千切君の鋭い一言に心臓が跳ねる
『あー…実は仕事中に痛めちゃったみたいで…。
あ、でも大丈夫だから気にせず行って下さい…』
「いや、全然大丈夫そうに見えないけど。」
「だな。」
「無理すんなって。つーかそれじゃまともに歩けないだろうし肩貸すから部屋まで送ってく。」
『えぇっ⁈⁈いや、それはちょっと、ってイタタタ、、、』
勢い良く否定しようとしたらまたしても腰に激痛が走った
「ほら言わんこっちゃない。大人しく言うこと聞けって。」
千切君が呆れた様子で肩を竦める
「もか、千切の言う通りだぞ?部屋戻って早く休んだ方がいいって。」
千切君と潔君の優しさは有難い、有難いんだけど、、、、
どうしよう……。
部屋の中に入れなければ問題ないかな……
お願いしようか迷っているとそれまで黙っていた凪君が口を開いた。
「・・・・ねぇ、この子の事は2人に任せてもいーよね?俺疲れたし部屋戻るから。」
マイペースな性格なのだろう。
凪君は気怠げな表情でそう話すと「じゃーね。」と1人食堂から出て行ってしまった。