第11章 オフ③
「これから先はあなたのしたい事、やりたい事をしなさい。」
想像していたセリフと全く違う事を言われ思考がピタリと止まる。
シタイコト ヤリタイコト ⁇
ぽかん。とする私を見て社長は小さく吹き出すと、それまでの仕事用の顔付きから一変、柔らかい表情へと変わった。
「そう、今度は自分で見つけるの。本当にやりたい事。」
『・・・・・え、でも……やりたい事なんて私には、、、』
「はいはいストップストップ〜!そうやって最初っから諦めるのがの悪いクセよ?
今すぐどうこうしろって言ってるんじゃないの。
ちゃんと自分と向き合ってこれからの事を考えてみなさいって言ってんの。」
コツ、とおでこを小突かれてしまった。
「まぁ〜でもいきなりこんな話しされて混乱もするわよね。
でもが二十歳になったら今の仕事を続けるかキッパリと辞めるか、決めさせようとは考えてたの。
で、そんな時にブルーロックから仕事の依頼がきた。」
社長はニコッと口元に綺麗な弧を描き笑みを深めた。
その笑みの意味がわからず首を傾ける。
「本来ならもっと上の子を行かせるような仕事内容だったんだけどね〜あえて私はを選んだの。
一か八かだったけど、夢に突っ走ってる高校生達ならに良い刺激を与えてくれるかもってね。」
『一か八かで私を送りこんだんですか……?』
(大きな失敗は無かったから良かったけど、これで私が問題でも起こしてたらどうするつもりだったんだろう……
でも、それだけ私を信頼していてくれたのかも、と思うと少し嬉しかったりもする。)
「フフッ、そうよ(笑)
けど大正解だったじゃない。一緒に試合観てても思ったけど、表情豊かになってるし、きっと良い出会いがあったんだろうなって♡」
探るような視線を向けられ思わず手元に視線を落とし、炭酸が抜けたサワーをゴクッと流し込んだ。
『将来日本を背負うような人達ですから……。』
「・・・・それが何?もしあの子達とは住む世界が違う、とか思ってるならそれは違うわよ。」
ーーー何でこの人はこうも私の考えを見抜いてしまうんだろう……
完全に否定されてしまいぐうの音も出ない。。。