第6章 ハスター 〜触手〜
「信者とかそーいう宗教みたいなのって、お布施だとか献身とかするんだろう?私は自分自身の為に生きたいから嫌だね」
『……お前に、なるべくは不都合が出ないようにしよう。危険からも守ろう。我の所有物になれ』
「私は人だ。自由である権利がある」
ハスターを睨みつけて言ったが、自由になったとして別に荘園外に出られる訳では無いし、守ってくれるなら不都合は無い気がしてきた。
頭の回転が遅いとこういうのがあるから嫌になる。
いやいやいや、まずハスターの信者って肩書きが追加されるのもかなり嫌な気がしてきた。もう自分の中の自分が喧嘩して訳が分からない。
『お前が何かをしたいと言うならすればいい。他の奴とも自由に話していい。ただ、もう我以外と目合うな。傍に居ろ』
……ん?
これは…信者ではなく……?
「…告白?」
数秒時が止まった後、ハスターの目が大きく見開かれた。
『これは告白か?』
「私の経験上は…?」
ふむふむ、と顎に手を当てて何かを考えている。果たしてあそこは顎なのか。
『この感情が恋愛感情だと言うのは理解した。、我の番になれ』
直接的な表現をされても困る。ただ、謝必安と范無咎から守ってくれるんだよなぁ。
自由にしていいらしいし、しかも邪神だ。楽しくないわけがない。
長考の末出た言葉は、
「まぁ…いっかぁ」
だった。