第1章 始まりは廃課金から
「やっと……やっと……やっと! 出来た〜!!」
私は拳を突き上げてバンザイした。もちろん、一人暮らしの私に返事をするものはいないけど。それはどうでもいいのだ。
私には、着せ替え箱庭ゲームと推しがいるから!
ものすごい重課金だって、推しのためなら躊躇わない!
一体なんの話をしているかって?
着せ替え箱庭ゲーム、キセカエン。
そこは、ガチャとプレイヤー同士の交換で、欲しいお洋服や欲しいお店などを入手するゲーム。更に課金すれば、自分の理想のアバターと箱庭の町が作れるスマホアプリだ。
そのゲーム上にいるアバターの一人に、私はとうとう推しにそっくりなキャラデザを作ったのだ!(廃課金してw)。
私の推しは誰かって?
そりゃーもちろん!
カシタローさんでしょ!
『箱庭世界の推しと私』