第11章 【新たなるもの】
「な、なんだったんだ?フレッドがジョージで、えーっと……」
「ああ、『太った婦人』からヒントを得て、アジトの出入り口を僕らなりに改編したんだ。秘密の守り人には欠点も多かっただろ?だから今回は僕らのポスターが門番役になってるのさ」
「それじゃあ、あの変なやりとりは?」
「僕らなりのユーモアを含んだ鍵さ」
「鍵?」
「そう、ポスターが本物の僕かジョージだと納得しなければ開かない様になっている。つまり、ポスターのお眼鏡に適わないトークだと入れてくれないんだ。でもそのおかげで、今のところは敵に入られたことはない。まあ、新たな形の秘密の守り人だと思ってくれれば良いさ」
そう言って、フレッドはハハハと笑った。
確かにこの双子が納得するほどのトークをしなければならないなんて無理難題だ。『死喰い人』は当然のこと、スネイプやリドルなんかには絶対攻略不可能な、まさに至高の番人と言えよう。
ポスターの裏にある穴は薄暗く、下に続く階段が見えた。杖灯りを灯しながら慎重に降りていくと、小さな扉が1つあった。
フレッド曰くこれも『死喰い人』対策の1つで、扉が小さければ大勢で一気に押し寄せるのが困難になるから、らしい。
先ほどのポスターといい、扉といい、どちらもシンプルだがとても効果的な方法だとクリスは思った。
そうして身をかがめて扉をくぐると、そこは広々とした部屋だった。元々倉庫として使っていた部屋を、アジトとして改良したらしい。
だがそんな事よりも、クリスにとってとても嬉しい事があった。
「ルーピン先生!!」
「やあ!クリス!!」
部屋の中心にある大きなテーブルの上で、何かの資料を広げているルーピン先生がいた。その姿を見たクリスのテンションは一気に上昇した。
その他に長男のビルとウィーズリー氏がおり、2人ともクリスの来訪を喜んでくれた。
「よく来てくれた。君たちがグリモールド・プレイスを訪れた後、何処に行ったのか分からなくて心配していたんだ」
「ダンブルドアからの遺言で旅をしていると聞いたけど、他の3人はどうしたんだい?」
「それが、その……」