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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第11章 【新たなるもの】


「クリス、君の隣にいる人物について、何か釈明はないかい?」
「言いたいことが山ほどあるのは分かっているが、それを踏まえて幾つか話がある。それにドラコを店に入れるつもりがないならそれでもかまわない」
「……分かった、それじゃあ奥で話をしよう」

 フレッドがそう言うと、クリスは店の奥に通された。
 そこは在庫の箱がいくつも積み上げられており、フレッドが魔法で椅子を出すと、クリスはその一脚にそっと座った。
 するとフレッドは単刀直入に話しを切り出した。

「それで、どうして君がマルフォイなんかと一緒にいるんだい?」
「まずそこが認識の誤りなんだ。言っていなかったけど、私は最初からドラコをこちら側に引き込む気だったんだ。それは生前のダンブルドアとも約束しているし、ハリーも承知の上だ」
「なんだって?君はあのクソ純血主義者が寝返ると思っていたのかい?」
「一緒に旅をすることになるとは思わなかったが、大体は予定通りだ」
「ふ~ん……」

 フレッドは何か深く考え込むように、顎に手をあてた。その姿勢のまま2、3分ほど考えると、フレッドはポン、と手を叩いた。

「よし、それじゃあ君を僕らのアジトへ招待するよ。そこで判断してもらったほうが良い。正直俺らじゃ手に余る問題だからな」

 そう言うと、フレッドは壁に貼ってある開店当初のW・W・Wの大きなポスターに向かって話しかけた。
 ポスターはジョージとフレッドが沢山の悪戯グッズに囲まれる中で実演販売してみせている。フレッドはそのうちの1人に話しかけた。

「やあフレッド、君ならどう解決する?クリスの言うことを信じられるかい?」
「時に友よ、いや、僕自身よ。誠に残念なことに、君が話しかけているのはフレッドじゃなくてジョージなんだが?」
「と、思わせつつフレッドなんだろ、知っているさ。ところでそっちのジョージは、本物のジョージみたいに耳を失くそうとはしないのかい?」
「ダメだね、そんな事をしたら余計カッコよくなっちまう」
「それはジョージが?それともジョージに化けた俺が?」
「なんだ、そこまで承知だったのか兄弟。良いぜ、なら道を開こう」

 そこまで言うと、ポスターがひとりでにくるくると巻きあがり、ぽっかりと開いた穴があいていた。クリスは訳も分からず、必死にフレッドを見た。
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