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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第9章 【例えこの先に何があっても】


 ――という感じで屋敷から逃げてきたは良いが、このまま寝泊りする場所を見つけられなかったら、翌朝には仲良く凍死してしまう。
 とは言え準備する時間は皆無だったので、勢いでここまで来てしまった。しかもハリー達の居場所など全く見当がつかない状態だ。

 毎回まゆつばもののハーマイオニーの『数占い学』で決めた場所に姿現ししていたから、深く考えようと思う事すらなかった。

「どうする?マルフォイ家の別荘なんて使えないし、かと言って君は賞金首だ。ろくに宿屋も使えないだろう」
「どこかマグルの町に『姿現し』するか?」
「……そうだな、それしかないな」

 クリスとドラコは手をつなぎ、クリスが先導した先はイギリス東南部に位置するライという町を選んだ。
 特に大きな理由はなく、小さい頃に屋敷を抜け出して遊んだことのある街の1つで、さらに言えば港町だったから新鮮な魚料理が沢山あったことだけは覚えていた。

 2人はマグルのお金を持っていなかったため、会計時に「オブリビエイト」と忘却の呪文を唱え、会計をせずに店を出た。
 こんなちんけなコソ泥じみた真似をずっと続けなければならないのかと思うと、一応は貴族であるドラコはもちろん、クリスも不快極まりなかった。

「さて、宿はどうする?」
「どこかに空き家でもあればいいんだが……」
「シリウスの実家は……危険だな、ドラコの命がいくらあってもたりない。あとは……」

 そう言いながら、クリスの頭の中でふっとある場所が浮かんだ。恐らく、一瞬だがグリモールド・プレイスを思い浮かべた所為だろう。
 果たして鬼が出るか蛇が出るか、クリスはドラコに1つ提案をしてみた。
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