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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第6章 【散った友情】


「別に……臆病風に吹かれた誰かさんが、『例のあの人』を信望し始めただけだよ」
「信望なんてしていない、ただ本名じゃなく『例のあの人』って呼ぶべきだって言っただけだ!」
「一体どうしてそんな……?」
「だってそうだろう!?魔法省はアイツの手下ばっかりで、ディメンターはアズカバンの看守から一転、アンブリッジの飼い猫状態で廊下を闊歩してる。日刊預言者新聞ではいつも誰が行方不明になったのか、誰が亡くなったとかばっかり書いてる!!君らはそういう記事を見て何も思わないのか!!?」
「思わないわけないだろう!だからこうして分霊箱を探す旅をしているんじゃないか!!」
「分霊箱を探す旅?はッ、君の一番の目的はマルフォイ一家の安全だろ?」

 クリスは一番痛いところを突かれ、ぐっと言葉に詰まった。だからと言って引いたりはせず、堂々と言ってやった。

「それの何が悪い?」
「つまり君はなんだかんだ、根っこは純血主義者ってことさ。子供時代は変えようがないってのは、君が言ったんだぜ!!」

 その瞬間、バキッと音がしたと思ったら、ハリーがロンの頬をぶん殴った音だった。
 ハリーは怒り心頭で荒い息を繰り返しているし、ハーマイオニーは顔面蒼白で1ミリも動けそうにない状態だった。

「……出ていけ」
「ハリー!?」
「僕らと旅をしたくないなら出ていけ!家に帰ってママが作ってくれた暖かい夕食でも腹いっぱい食べて、ふかふかのベッドで寝てればいい!!」
「…………ッ!」

 ロンは返答をしなかった。ただ立ったまま、固まってしまったハーマイオニーをチラリと見た。それから碌な荷物も持たずにテントを出て行った。
 その背後で、ハーマイオニーが大声で泣き崩れた。このままは不味い!クリスは急いでロンの後を追った。
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