第6章 【散った友情】
そんな日が何日も続くと、ロンはクセのように火消ライターを使って灯りを付けたり消したりして皆を微妙にイラつかせたり、また、ありきたりな料理ばかりで飽きたなどと文句を言うようになってきた。
「マッシュポテトとニシンの燻製、またこれかぁ」
「それじゃあ明日は三ツ星シェフのロナルド・ウィーズリーが腕を振るって頂戴」
嫌そうなため息まじりのロンの一言にカチンときたハーマイオニーが、自分の作った味の薄いマッシュポテトを頬張りながら言った。
* * *
日が経つにつれて、ロンはどんどんと我侭になっていった。だが正直に言うと、クリスも分霊箱を探すが旅がこんなに地味で面白味のないものだとは思っていなかったので、ロンを責めたりは出来なかった。
――そして、遂に事件が起きてしまった。それはハーマイオニーがいつも通りテント周辺に守護魔法を施していた時の事だった。
「いつ見ても鮮やかな手際だな」
「あら、やり方を教わってないだけで、貴女だってこれくらい出来るわよ?」
「へぇ?いつからそこまで私を買ってくれてたんだ?」
「1年生の時にコンパートメントで、喧嘩を売られた時からよ」
そんな懐かしい話しをしながら、クリスとハーマイオニーが周辺に守護魔法を施していると、テントの中から何かをひっくり返すような凄い音が聞こえてきて、クリスもハーマイオニーも急いでテントに戻った。
「どうした!?」
テントの中にいたのはロンとハリーだけで、特に襲撃されたとかでは無いみたいだ。それにほっと息を吐くと、ハーマイオニーが2人に何があったのかを訊ねた。