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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第5章 【冒険ごっこ】


「よりによって、まさかあのガマガエルの手に渡っていたとは……」

 あれから3日間、話題の殆どはアンブリッジについてだった。持ち主は分かったのに、アイツ相手にどうロケットを手に入れれば良いのか。
 良い提案は思い浮かばず、しかたなく4人はダンブルドアからの遺贈品の謎について考えるようになった。

 一体ダンブルドアはどうしてこんな回りくどい方法で腕輪を磨けなどと言い残したのだろう。
 クリスはベッドに寝転がりながら、ピカピカに磨いた左腕の腕輪を眺めた。

 気にかかっている事と言えば、前年度、ダンブルドアが語ってくれた秘密とアンブリッジの記事だ。表現方法は違えど、中身はほぼ一致する。
 だとすれば、繋がりがあるとすればただ1つだけだ。『肉親殺しをしてくれるな』と――。

「……クソッ!」

 あの夜、あの墓場で自分を守って亡くなった育ての父・クラウス。そして屋敷の主たちに最期まで尽くしてくれたチャンドラー。
 いくら血がつながっていなくても、クリスが家族と呼べる人たちはこの2人だけだ。
 「例のあの人」だか何だか知らないが、そんなヤツを殺したところで『肉親殺し』にはならないとクリスは思った。


 そしてとうとう4日目の朝、いい加減現実から目を背くのは止めようとハリー、ロン、クリス、ハーマイオニーはアンブリッジからロケットを取り戻す策を立て始めた。
 それは何故か。日刊預言者新聞に大きく

 【 セブルス・スネイプ、ホグワーツ校長に就任確定 】

 という文字を見たからだ。
 またそれとならんで、『マグル学』や『闇の魔術に関する防衛術』にも『死喰い人』のカロ―兄妹が就任すると書いてあり、それを読んだ途端、流石の4人も俄然やる気が出てきた。

「絶対にスネイプの好きにはさせないぞ!!」
「当たり前だ!!」

 とにかく情報収集が一番だと決めた4人は、2人1組で透明マントをかぶり魔法省へ行き、何でも良いからアンブリッジの情報を集めたり、誰かのデスクにあった日刊預言者新聞を失敬してきたりした。
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